フォント選びのおつまみ。~文字にも「TPO」がある!?~

おつまみでざいん。

デザイン事業部「アトリエ∞(インフィニティー)」所属、グラフィックデザイナーのwachico.(わちこ)です。

今回の「おつD」は、デザインにおけるより実践的な「フォント選び」のテクニックについてです。

同じ言葉なのに、使うフォントが変わるだけで、なんだか印象まで違って見える……、そんな経験はありませんか?

たとえば、「秋の読書フェア」という同じ言葉でも、細めの明朝体で組めば落ち着いた雰囲気に、太めのゴシック体なら元気で目立つ印象に見えてきます。

代表的な書体の比較図 ※ChatGPTによる生成

<プロンプト>
図版①:同じ「秋の読書フェア」という文字を、明朝体・ゴシック体・丸ゴシック体・デザイン書体で比較
代表的な書体の比較図 ※ChatGPTによる生成

やわらかな丸ゴシック体なら親しみやすく、個性的なデザイン書体なら、ぐっと世界観を強く見せることもできます。

過去の記事では、明朝体とゴシック体の違い・文字組み・記号・約物……といった、文字にまつわる「基本」の要素をご紹介してきました。


■参考:文字に関する過去記事



今回はそこから少しステップアップ!

「実際のデザインでは、どんなフォントを選べばいいの?」という実践寄りな今回のテーマ。皆さんも一緒に悩みつつ、適切なフォントの選び方について考えてみましょう!




もくじ

【フォントにも「性格」がある?】
【「誰に見せる?」から考えてみよう!】
【フォントは、たくさん使えばいいワケじゃない!】
【「雰囲気」だけでなく「読みやすさ」も大切】
【まとめ】


【フォントにも「性格」がある?】

フォントには、それぞれ違った印象があります。

たとえば明朝体は、細い横線と太い縦線のメリハリがあり、落ち着きや上品さ、伝統的な雰囲気を感じさせやすい書体です。小説や新聞などといった長文(文章の密度が高いもの)を読んでも、比較的目が疲れにくいとされており、よく用いられます。

一方、ゴシック体は線の太さが比較的均一で、はっきりと見えやすく、力強さや現代的な印象を出しやすい特徴があります。大半は線に強弱がなくほぼ一定の太さなので、遠くからでも読み取りやすかったり、視力が弱い・視覚障がいを持つ方でも視認しやすいところもポイントです。

丸ゴシック体なら角が丸いぶん、やさしく親しみやすい雰囲気になります。

さらに手書き風やレトロ風などの「デザイン書体」を使えば、それだけで個性的な世界観を演出することもできます。

ここで大事なポイントは、

「明朝体なら必ず・・高級に見える」
「丸ゴシックなら
必ず・・かわいく見える」

などといった定番の選び方があるように見えて、変化球なアプローチもまた無数に編み出せる。この匙さじ加減が難しい!

文字の太さや大きさ・色・周囲の写真やイラストなどの選び方ひとつで、デザインの与える印象は大きく変わります。

まずは覚えておきたいこととして、フォントは単体で見るのではなく、デザイン全体の中で「どんな雰囲気を作りたいか?」を考えながら選ぶこと。ここがキモですね。

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【「誰に見せる?」から考えてみよう!】

フォント選びで迷ったときは「自分が好きなフォントはどれ?」ではなく、

「これは『誰に』見てもらうデザインだろう?」

と考えるのが基本です。ちなみにこういった、デザインや商品を「どの対象に向けて作るか?」という考えそのもの・該当する客層を、専門用語で「ターゲティング(ターゲット)」と呼びます。

話を戻しまして。たとえば、同じ「秋のイベント開催!」というお知らせでも、状況(内容やターゲット)によって相応しい文字は変わってきます。

同じ「秋のイベント開催!」を、子ども向け・美術館・地域のお祭り・ホテル向けの4種類で比較。
ちなみに「セリフ系」は「明朝体」とほぼ同義だと思って下さい。
※ChatGPTによる生成

<生成プロンプト>
図版②:同じ「秋のイベント開催!」を、子ども向け・美術館・地域のお祭り・ホテル向けの4種類で比較
同じ「秋のイベント開催!」を、子ども向け・美術館・地域のお祭り・ホテル向けの4種類で比較。
ちなみに「セリフ系」は「明朝体」とほぼ同義だと思って下さい。
※ChatGPTによる生成
  • 子ども向けのイベント→親しみやすく、元気な文字
  • 美術館の展覧会→落ち着いた、明朝体や細めの書体
  • 地域のお祭り→力強く、にぎやかな文字
  • 高級ホテルの秋フェア→上品で、余裕を感じさせる文字

このように、伝える内容が同じでも「誰に」「どんな印象で」届けたいのか? によって、選ぶフォントは変わってきます。

とすると……フォント選びは、洋服選びと少し似ているのかも?

普段着・仕事着・パーティー用の服……。服装にTPO(時・場所・場合による配慮)やドレスコードがあるように、文字にもまたTPOがある、ってことです!

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フォントは、たくさん使えばいいワケじゃない!

デザインソフト(Illustrator・Photoshop他)やOffice系ソフトなど、何かしらのアプリケーションを開くと、たくさんのフォントが並んでいますよね?

正確には「パソコンにプリインストールされていたフォント(=OS標準フォント)」や「パソコンに直接インストールしたフォント」「『Adobe Fontsアドビフォンツ』等のフォントサブスクリプションサービスでインストールしたフォント」等々、パソコンの中に収められている(またはクラウド経由で一時的に保存している)フォントがまるっと表示されているのですが。

さて、ここでちょっと箸休めに余談でも。

皆様は、ご自身の使うパソコンに一体いくつのフォントがインストールされているか、考えたことってありますか? 私も気になって、ChatGPTさん全面協力のもとザッと調べてみることにしました。

その方法は難解に見えて、至ってシンプル。

「Python(パイソン)」というプログラミング言語を使ったコマンド実行例。
画面上に「Hello World」とテキストを表示させるだけの、シンプルなコマンドです。
「Python(パイソン)」というプログラミング言語を使ったコマンド実行例。
画面上に「Hello World」とテキストを表示させるだけの、シンプルなコマンドです。

まずMacOSには、標準で「ターミナル」というCUI(キャラクターユーザーインターフェース)ソフトが標準搭載されています。これに意図するプログラムを書くことでパソコンを動かすんですが……大丈夫。自分でプログラミングが出来ずとも、今はAIがあるじゃないか!

実際に自分でやるのは、まあざっくり言うと……「ターミナル」のウィンドウに、ChatGPT(Geminiなど他のAIでもOK)で生成した「実行ファイル(今回の例ではSwiftスウィフト)」をドラッグ&ドロップする(「実行ファイルの中に書いた通りにお仕事してね」という操作)だけ!

後はMac側が実行ファイルの指示通り、インストール済みフォントの情報を取得して整理・分類。結果を別途テキストファイルに「フォント棚卸しリスト」として書き出してくれる……という寸法。

プログラミングの辺りは余談の余談なんで、まあスルーしてもらって構いません。
 結論。複雑怪奇なコーディングなぞ、AIに丸投げでヨシ。

■Swift(スウィフト)って何?
 Appleが2014年に発表した、iPhone(iOS)やMac(macOS)などのアプリを作るためのプログラミング言語のこと。
 初心者でも学びやすいモダンで分かりやすい構文と、高速な処理性能を持っている……らしい(知識皆無)。

■CUIとGUIの違い
 上述した「ターミナル」では、プログラミング言語などの「テキストだけ」でコンピュータに直接指示を出します。こういった仕組みを「CUI(キャラクターユーザーインターフェース)」と呼びます。
 Windowsで言う「コマンドプロンプト」とほぼ同じもの……だとか(知識皆無その2)。
 対して、私たちが普段使っているコンピューターでは「GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)」を採用しています。マウスや画面上のアイコンをクリックやドラッグで動かしたりする、直感的な操作ができるのがGUIの特徴です。

ともあれ、こちらが筆者の所持フォント解析結果!

フォント総数チェック結果(2026年8月時点)
フォント総数チェック結果(2026年8月時点)

フォント総数、驚異の(?)1844種!! ファミリー数は1000行かないくらいでしたね、なんか惜しい気がする。

なおフォント数は単純に選べるフォント(スタイル)の総数で、ファミリー数というのはフォントの種類数のこと。
 例えば「フォントファミリーA」という名称のフォントに「レギュラー(普通)」「ボールド(太字)」「イタリック(斜字)」という3つのスタイルがあったとしますと、フォント数は3・ファミリー数は1、とここではカウントされます。

自分の持ってるフォントを調べてみよう! (Mac OS の一例)
自分の持ってるフォントを調べてみよう! (Mac OS の一例)

はい、閑話休題。

相変わらず長かったですがここからがメインディッシュでございます。想像してみてください……あなたがもし、こんな風に数多くのフォントを持っていたなら?

  • 「いっぱいあるんだから、いろいろ使ってみたい!」
  • 「全部使わないと勿体ないじゃん!」

……とか思っちゃうのも仕方ないですよね。私もです。

ですが例えば、1枚のチラシの中で何種類ものフォントや、目立たせたいあまり個性的なデザインフォントばっかりを使うと、かえってゴチャゴチャの伝わらないデザインになってしまったり。

チラシデザインのよくない例 ※ChatGPTによる生成

<生成プロンプト>
図版(悪い例):デザイン書体ばかりを使ったポスターデザインの例を、どこが何故よくないのか、ポイントを添えて描いてください。ポスターのデザイン自体(告知内容や取り入れるモチーフ)は、自由に決めていただいて構いません。

画像 1:
1.(x: 76.4%、y: 1.9%)見出しの文字がカスレてるので、くっきり描写してください
2.(x: 87.8%、y: 80.9%)髪型、長さが少し短すぎる&アホ毛以外が外ハネし過ぎなので、頭のシルエットもう少し落ち着けて、丸めにお願いします。
3.(x: 94.9%、y: 86.8%)両目の色は黒(グレー)なので、青い部分を同じくらいの明度・彩度の灰色に変えてください。
4.(x: 91.6%、y: 93.8%)拳全体ではなく、指先数本が袖からチラッと見えるくらいで。袖口は倍近く広くとっていいです。
5.(x: 85.8%、y: 23.4%)説明文、全体的に少しだけ文章量減らして、本文文字サイズ大きくしてください。
チラシデザインのよくない例 ※ChatGPTによる生成

だからここはあえての逆転の発想。思い切って使用フォントを、1~2種類程度に絞っちゃいましょう。

タイトルには少し個性的なフォント
本文には読みやすいゴシック体や明朝体

という感じに、きっぱり2つの役割で分ける覚悟を身につけましょう。フォントに限らず、デザインって蓋を開けてみると、何かを「足す」より「削ぎ落とす」プロセスの方が効果的だったりするんですよね。

さらに、別のフォントへ変えなくても、

  • 大きさ
  • 太さ
  • 色

といった基本的なパラメーターを変えるだけで、しっかりメリハリを出すことができます。

複数のフォントを使いすぎた例
※ChatGPTによる生成

<生成プロンプト>
図版③:複数のフォントを使いすぎた例/1~2種類に絞り、大きさや太さで整理した例の比較
複数のフォントを使いすぎた例
※ChatGPTによる生成

「ここを目立たせたいから、別のフォントにしよう」と考える前に、「同じフォントの大きさや太さを変えるだけでもできないかな?」……と一度考えてみると、全体をすっきりまとめやすくなるかと思います。

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【まとめ】

文章そのものが同じでも、フォントが変わるだけで、聞こえてくる「声」まで違って感じることがあります。

  • 元気に伝えたい。
  • やさしく伝えたい。
  • 信頼感を持ってほしい。
  • 高級感を感じてほしい。

フォントは、そんな言葉の「声色」を作ってくれる、デザインの大切な道具のひとつです。

「どのフォントがおシャレかな?」と考えるだけではなく、「誰に、どんな印象で届けたいのか」を考えて選んでみると、フォント選びはぐっと分かりやすくなります。

次に街でポスターや商品パッケージを見かけたら、ぜひ文字にも注目してみてください。

  • 「どうしてこのフォントを選んだんだろう?」
  • 「誰に向けたデザインなんだろう?」

そんなふうに少し考えてみると、普段何気なく見ていた文字が、これまでとは少し違って見えてくるかもしれません。


【最後にちょっと私事なおしらせ】

※ChatGPTによる生成

<生成プロンプト>
このキャラクターの単体イラストを、シチュエーションを変えて描きます。手にしているアプリアイコンは消します。

キャラクターが疲弊しきった様子で床に倒れ込んでいるポーズ。こちらにぐったりとした表情を向けて、放心しきっている、脱力した寝姿です。漫画的な表現(漫符など)を追加しても構いませんが、文字は入れないでください。

キャラクターの全身が収まるようにし、床と床面の影・背景は描かず、透過にします。

画像 1:
1.(x: 40.3%、y: 53.3%)表情、シリアス寄りな感じなのでもう少しギャグ寄りに修正(グルグル瞳など)
※ChatGPTによる生成

今回(も)、投稿大変ギリギリ綱渡りで申し訳ありませんでした。

これは前々にお話ししました「ブログ手抜きせざるを得ません的な謝罪」にも関わってくるんですが……。

実は私、特に年末年始を皮切りに、新年からじわじわ心身の調子が悪化の一途を辿っておりました。そうして予想外の過負荷を長期に渡って耐え続けた結果なのか、とうとう今月に至って(祝日含め)約半月程度しか出勤できないという体たらくを晒してしまう有り様。

……公に書けるレベルを遥かに超えているので、原因や詳細は省きますが。
 つまりははい、そういうことです。

一応、内注で動いていた膨大な案件については頭を下げ、一旦中断にしてもらいましたが、だからといっていつまでも先延ばしにするのは無責任ですし、広告塔であるべきYouTubeチャンネルも再開すべきですし……。うーん、ままならんね。

とは言えデザイン事業部は相変わらず私が(実質)ワンオペで回してるもんですので、とにかく這ってでもこのブログだけでも切らさず、更新を続けていく所存。

最後の最後に愚痴っぽ……いや、醜い愚痴をつらつらとすみません。
 読者の皆様におかれましては大変ご迷惑をお掛けしますが、お許し頂けましたら幸いです。

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ここまでお読み頂きありがとうございました。

それでは、次回をお楽しみに!

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※当記事の一部画像には「ChatGPT」によってAI画像生成した物が含まれます。なお該当画像のALTテキストには、可能な限り生成時のプロンプトを併記します。

※当記事の一部画像には、無断転載や不正なAI学習を抑制するため「Glaze」による特殊な画像加工を施しています。詳細については以下をご覧下さい(英文表記)。

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2026.09.30

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