制作チーム「アトリエ∞(インフィニティー)」所属、グラフィックデザイナーのwachico.(わちこ)です。
9月といえば新学期。心機一転、新しいことが始まる…そんな時期でもありますね。
実は私も先月から、少しずつWebデザインに関わる勉強を始めていたりします。前回までWebデザイナーの利用者さん方にお願いしていた「仕上げ」の作業も、HP管理の面も、今後は本格的に自分の手でやって参る次第。最初のうちはモタモタぐだぐだ〜…になりそうですが(笑)、頑張ります!
さあ本題。今回の「おつD」、テーマはずばり「デザイナー」! ですっ!!
これまで「おつD」の記事では、私が手がけてきた「デザイン」について振り返ってきました。このブログ記事には、「書くことで自分自身の仕事内容を顧みる」という狙いがありましたが、ただそれだけではありません。「ミューズ明石クロノス」という就労継続支援事業所で「デザイナー」の利用者はどんな事を任されるのか? どんなものを「デザイン」するのか? …そういったことの参考にしてもらえたらな、という目的があってこそ、このHP内の記事として書いているのです。振り返るだけなら、それこそ個人のブログで書いても構わないですから。
「事業所の仕事を知ってもらうために、ブログを書く」
文章にするとたった一言、ですがこれも広い意味で捉えれば「デザイン」という行為なのだと思います。まあ、あくまで個人的な考えですが…。
「デザイナー」という仕事について思う、すごーく個人的なお話。なるべく易しい言葉で語ろうと思いますが壮絶に長くなるのは確定的に明らかなので、今回はもう最初から前後編に分けてお伝えしようかなと思います。今回は前編ということで、「デザイナー」という仕事…というより「デザイン」そのものにまつわるお話をしていきます。
何度も申し上げますが、これはあくまで「私個人の主観的意見」という事を忘れないで下さい。世の中には色んな意見があっていいと思いますし、そうあるべきだとも思いますし、それに「自分だけが正しい」と無理矢理意見を押し付けるのは、相手にとっても自分にとっても失礼な行為ですから。
「へ〜、そんな捉え方もあるのか〜! 自分とは違うな〜」程度に、ゆったりとした気持ちで読んでもらえれば、と思います。絵も多めに入れてダレないようにいきますんで着いてきて下さいお願いします(執筆時点でまだ描いてない/笑)!
もくじ
【そもそも「デザイン」って何だ?】
【「仕事」と「趣味」の境界線】
【きっと誰もが「デザイナー」!】
【そもそも「デザイン」って何だ?】
さて、「デザインって何?」と聞かれたら、皆さんはどう説明しますか?
恐らく多くの方が、モノの「色」や「形状」のことだと思い至るでしょう。それも決して誤りではないと思います。では、その「色」や「形状」…一体「どうして」そうなったんでしょうか?
例えば「信号機」を例に話してみましょう。ここで前回の記事を読まれている方は、「配色(色)」についてのお話も少し思い出してみてください。
「青(緑)は進め」「黄色は注意」「赤は止まれ」…、少なくとも日本であれば、みんな当たり前に分かっている事ですよね。でも、「どうして」そう決まっているのかについて考えた事、ありますか? 「だってそういうものでしょ?」と何とな〜く思っていませんか?
ちょっとここで色彩心理学の話を挟みますが、人は目で見た色によって様々な「イメージ」を抱き、「感情」を動かされます。ほんの一例ですが「青」には「集中力を高める」、「緑」には「安心させる」ような働きがあると言われています。
では改めて「信号機」の話に戻りましょう。
「黄」は「明るさ」や「元気」といったイメージを与えますが、一方で「警戒色(警告色)」とも呼ばれます。つまり、危ないものに対して「注意を促す」効果があるのです。信号機だけでなく「危ないよ!」と伝える標識や看板もそうですよね。カエルやヘビなどの生き物にも、毒を持っている場合は「黄色と黒」など、自然界で見慣れない派手な体色をしているものがあります。
「赤」は「黄」より更に強い意味を持つ「警戒色」です。「赤」は「エネルギッシュ」な気持ちにさせる色ですが、一方で本能的な「危機感」も感じさせます。
ざっくり言うと、これが「信号機」の色が「青(緑)」「黄」「赤」になった理由ではないか、と考えられます。
このようなことを考え、決めるという一連の行為自体が「デザイン(をする)」です。とすると、「デザイン」の言葉に込められた意味は2種類に大別できますね。その過程を経て出来上がった「モノ・コトそのもの」という広義的なものと、そこに辿り着くための「思考」や「行為」などを指すもの、です。
今回この記事で話すのは、特筆しない限り後者…「思考」や「行為」を指すほうの事だと思ってくださいね。
【「仕事」と「趣味」の境界線】
さて、前述の内容が「デザイン」である、とひとまず決めたところで、そもそものテーマ…「デザイナー」という職業の話に戻りましょう。
「モノ」や「コト」を完成させるためにアレコレする事が「デザイン」であり、それこそが「デザイナー」のお仕事。ここまでは説明できたかと思います。が、普段から絵を描いたり写真を撮ったり、何らかの「モノづくり」をしている人なら、ふとこんな事を思うはず。
「よく考えたら、今やってるコレも『デザイン』…?」
「『モノ』や『コト』を完成させるためにアレコレする」という点は、何も「デザイナー」という職業に限った話ではありません。趣味で創作活動をやっている方だって同じですよね。…ええ、ご想像の通り。ぶっちゃけ私も「仕事」と「趣味」の境目がごっちゃになってしまうのは、ままあることです。
今やっているのは果たして「デザイナー」の仕事たり得ているのか否か。その境界線は人によって違うと思いますし、難しい問答です。「お金をもらっていれば仕事」ということなら簡単かもしれません。でも、ここで考えるべきはそういう安直な「答え」ではないですよね。「デザイン」=「仕事」だとは限らないからこそ、悩んでしまうのです。
「デザイン」と「趣味の創作活動」に明確な違いはあるのか? いま誰かに問われたとしたら、私は悩みつつ「誰かのためにつくる」のか「自分のためにつくる」のかの違い…そう答えるでしょう。
どういうことか、ざっくりとした例を挙げてみましょう。
職場用のお弁当は毎日食べるものであり、基本は朝の忙しい時間帯に作るから調理に時間もかけられない。だから実用性とか効率・栄養面を重視して作りたいと考えるでしょう。これがキャラ弁となると一変。「お弁当」である以上に「アート」としてのの意味合いが強くなりますから、当然見た目の可愛さや美しさ・明確なモチーフがあるならその再現度などを優先すべき、となりますね。
ではここに「他人のために作る」という前提条件を加えると、どうなるでしょう? 例えキャラ弁であっても、それが「幼稚園の子どもに持たせるお昼ご飯」であるなら、しっかり栄養バランスも考えたお弁当にしたいですよね? 結果が同じ形になったとしても「核になる考え方や方針」は違う訳です。この「核になる考え方や方針」のことを「コンセプト」と呼んだりします。「テーマ」や「目標」をより具体的に示すもの、と言えば何となく伝わるでしょうか…?
つまり「誰かを満足させるため」と、「自分を満足させるため」とでは、「コンセプト」が根本的に違う(=私的「デザイン」と「趣味」の境界線)、という話です。だってそりゃあ、自分用のお弁当を作るのと、好きな人のためにお弁当を作るのとでは、気合の入れ方って全然違うじゃないですか。私は恋愛経験ありませんけど(笑)。
【きっと誰もが「デザイナー」!】
ま、それはさておき。これまで長々ぐだぐだやってきた「デザイナー」についてのお話。わざわざ前後編にしてまで何する気なんだという感じですが、ぶっちゃけ前編で語りたいところは大半語れてしまってたり。だって「一般的な」答えはもうWikiなり文献なり何なりで既に定義されているでしょうし今更ですし…。
「じゃあ何でこの話書いたんだよ!」というツッコミはご容赦頂いて(笑)、結局「私なりの」見識で言えば「デザイナー」というものは、先程から述べている通り「『モノ』や『コト』を完成させるためにアレコレする」人たちで、「誰かのために何かをつくる」お仕事。そして、何より一番お伝えしたかったのが…、
「デザイン」って、本当はとても身近な存在だということです。
いきなり「デザインをやれ」と言われたらそりゃあ誰でも「無茶言うなよ!」ってなりますが、さっきのお弁当の話みたいに、「誰かのために何かを作る(する)」と言えば、誰にでも出来るし、してあげたくなったりする。その思いやりや工夫そのものを「デザイン」と呼べるのならば、今これを読んでいるあなたもまた、既に誰かにとっての「デザイナー」なのかも…? なんて解釈もできちゃう、と。あー…はい、えっと、あくまで主観的意見ですし、ちょっとこじ付けな位がちょうどいいんじゃないですかね…?
ということでハイ以上で前編はおしまい! いかがでしたか?
難しそうだと思っていた方も、視点を変えてみるとちょっぴり「デザイン」が身近に感じられたのではないでしょうか?
次回、後編では自己流の視点から、様々な専門性を持つ「業種」としての「デザイナー」についてお話ししてみたいな、と思います。例えば自分なら「グラフィックデザイナー」であり「DTPデザイナー」「Webデザイナー」などにも当てはまるでしょうか? いろんな「○○デザイナー」について自分流に紐解いていく予定です。月末あたりの更新を目指して頑張ります!
ここまでお読み頂きありがとうございました。
それでは、次回をお楽しみに!
※一部図版のイラスト素材は いらすとや 様からお借りしております。
2022.09.12
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