制作チーム「アトリエ∞(インフィニティー)」所属、グラフィックデザイナーのwachico.(わちこ)です。
今回の「おつD」は、次回と合わせて「デジタル画像」について軽く解説していく回になります。といっても、世の中に無数に存在する画像形式を1つ1つ拾っていくのはちょっと大変なので、大まかなくくりでサッと話すつもりではあります。今後話すだろうネタの予備知識として、少々お付き合い頂ければ幸いです。
まず今回はお馴染みの画像形式「ビットマップ(ラスター)形式」についてです。
もくじ
【ビットマップ形式とは?】
【代表的なビットマップ形式〜JPEG/GIF・PNG/HEIF〜】
【まとめ】
【ビットマップ形式とは?】
ビットマップ画像(ラスター画像)とは、コンピュータグラフィックスにおける画像の表現形式で、ピクセル(画素)を用いたもの。簡単に言えば、細かな単色の点(ドット)の集合体…とでも言えばいいのでしょうか。少なくとも皆さんがスマホやPC、またWeb上で見ている画像はほぼビットマップ画像、と言ってもいいくらいかもしれません。
上のように画像を拡大すると、モザイク画像のように多くのドットが集まってできていることがわかります。必ずしもそうではなかったりしますが、基本的にこのドットの数が多ければ多いほど高画質(解像度が高い)になり、比例してファイルは大きくなります。
※参考:ビットマップ画像(Wikipedia) ※外部サイト
【代表的なビットマップ形式〜JPEG/GIF・PNG/HEIF〜】
では、そんなビットマップ形式画像の中でも代表的なものを、いくつかピックアップしてみましょう。
JPEG(ジェイペグ)
2024年2月現在、静止画像規格の主流となっている画像ファイルフォーマット。拡張子は「.jpg」「.jpeg」など。「Joint Photographic Experts Group」の略。
表現可能な色域が広く、複雑な色でもほぼそのまま表現できるため、主に写真データのフォーマットとして使われています。Web上で扱われる画像ファイルフォーマットとしてもおなじみ。
GIF(ジフ・ギフ)/PNG(ピング)
JPEGと双璧を成す画像ファイルフォーマット。拡張子はそれぞれ「.gif」「.png」など。GIFとPNGは別物なのですが、PNGはGIFの後継フォーマットとして開発された経緯から似ているところが多いので、ここではまとめて扱います。
JPEGより表現できる色域は狭い(例えばGIFだと256色しかない)ものの、そのぶん軽量なためイラストやWeb素材(ボタンやバナー)などに適した画像ファイルフォーマットといえます。また、JPEGとは違い「透明度」のパラメータを持つので、透過画像にも対応できます。更にGIFなら、パラパラ漫画のような仕組みのアニメーション機能も。これを利用したアニメーション画像は通称「GIFアニメ」としてWeb黎明期から活用され、今もSNSなどで手軽な画像リプライの投稿手段として役立っています。
※フリー画像引用元:Pixabay ※外部サイト
HEIF(ヒーフ)
iPhone(iOS11以降)で標準の画像保存形式にもなっている、JPEGより更に高性能な画像ファイルフォーマット。そのため知らない間に重用していた、という人も多いかも。拡張子は「.heic」なので注意。「High Efficiency Image File Format」の略。
JPEG形式より高画質を保てるのにもかかわらず、ファイルの重さはJPEGのおよそ半分にできるという驚異的な圧縮性能を誇ります。iPhone特有の連写機能「バーストモード」で撮影した写真画像も、その性質上HEIF形式です。ただ汎用性はまだ高くなく、iPhoneやMac以外の環境で開くためには一旦JPEG形式などに変換しなければならない手間があります。もしかしたらそう遠くない未来、JPEGに代わる新たな汎用画像ファイルフォーマットになる…のかも?
枚挙にいとまがないのでこのくらいにしておきますが、特に業界でよく使われるJPEG・GIF・PNGあたりは覚えておくといいでしょう。
【まとめ】
以上、ビットマップ画像の簡単なまとめでした。
前回の話に絡めて書くと、このビットマップ画像の編集については、IllustratorよりもPhotoshopが得意とする分野になります。どちらかと言うとIllustratorは、すでに編集し終わったビットマップ画像を持ってきて仕上げをする、というパターンが多いですね。
さて、実はもう書くべきネタは1つあるにはあるのですが、まだそれは秘密にしておきます。次回はビットマップ形式の対となる、あの画像形式について語ります。どうしても専門的な話になるので、もしかしたら過去一難しい回になるかも…? まあ、はい、がんばります。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
それでは、次回をお楽しみに!
※当記事中の一部画像には、商用利用可能な生成AI技術を用いて加工を加えています。詳しくはAdobeの生成AIについてをご覧下さい。
2024.2.28
コメント
お疲れ様です。
藤井ビルの伊藤です。
今はプライベートの時間なのですが、ワチコさんの記事読ませていただいてます。
自分は写真をRAW形式で撮影したものをJPEGかTIFF形式に変換しています。
と言っても理屈は分からないままで、そうしているだけです。
このRAWとTIFFについて教えてもらえませんか?
お手すきの時にでも。
ざっくり簡単に言いますと、RAWはプロのカメラマンさんが写真を撮る時に使う非圧縮で超高画質な形式。TIFFは画像に使ったレンズや撮影場所などの情報を含めている形式です。
どちらも共通するのは、圧縮(データを軽く)していないので高画質なぶんデータが非常に重いこと。そのため高品質な印刷などには使えても、Web上でやりとりするには向かないわけです。
JPEGやPNGであれば、肉眼ではほぼ遜色ないくらいの画質を保ちながら非常に軽いデータに圧縮できるのが強みです。
Webではないにしろ他人とデータをやりとりする際、基本的には今回紹介したJPEGやPNGでやることをおすすめしますよ。