制作チーム「アトリエ∞(インフィニティー)」所属、グラフィックデザイナーのwachico.(わちこ)です。
今回から本格始動の「おつD」。まずは私の初仕事、当事業所巻き三つ折り版パンフレットを例に、印刷物デザインの制作過程をご紹介しようと思います。ちなみに、あくまで自分なりのやり方ですので参考になるかどうかは保証致しかねます…!
ちなみに「巻き三つ折り」とはコレのこと。
お店のリーフレットなんかによく使われる折り方ですね。似たものに「観音折り」や「蛇腹折り」なんかがあります。
1.打ち合わせをする
どんなお仕事でもそうだと思いますが、いきなりモノを作り始めたりはしません。クライアント(今回は「事業所自体」がクライアントと言えますね)としっかり話し合いをするところから、デザインは始まります。
「どういう目的で作るのか?」「どんな色やカタチにしたいか?」「出来上がったデザインで何を叶えて欲しいのか?」といったコンセプトを明確にし、具体的な完成イメージを共有してから取り掛かります。逆に言えば、これが出来ていないと途中で行き詰まったり、クライアントの意図から大きく逸脱したデザインになってしまいます(あえて外した提案をする、というのも時にはアリかもですが)。
2.大まかにデザインしてみる
こちらは初期のデザイン案。まだ「設計図」といった段階です。どこにどの情報を入れるのか、色やフォント(文字の形)選びは適切か…レイアウトを組み始めないと分からない、クライアントへの確認事項が出ることも。(ぼかしてありますが)それらは周囲に赤字でメモしておき、キリのいい所まで作れたらクライアントに共有の上、相談。そして修正、共有、相談…。これを繰り返して進めていきました。
3.デザインに必要な要素をつくる
パンフレットそのもののデザインと並行して、そこに載せるカットイラストやロゴマーク、地図などのデザインも進めていきます。特に表紙のロゴマークは、今後ホームページなど様々な場面で運用されることが想定されたため、別途打ち合わせを重ねて完成させていきました。ここがかなり苦戦したポイントなのですが、詳しく語ろうとすると余裕で記事1本分くらいの長さになりますので…今回は割愛。次回以降の記事に持ち越しとさせて頂きます…!
パンフレットには事業所内の風景写真や、利用者からのコメントも掲載しています。事業所内の写真撮影や加工、また利用者から聞き取った内容を文章にまとめる作業も自分で行いました。「事業所の宣伝」が主目的なので、パンフレットを見た人が事業所の雰囲気をイメージできなければなりません。そのため可能な限り自分の目で見て、調べて、感じたことを取り入れるようにしました。
4.デザインを仕上げる
組み込む要素が出揃ったら、改めてレイアウトしてみます。すると「画像が収まらない!」「文章がはみ出る!」「ごちゃごちゃして見える!」…といった様々な問題が浮上します。パンフレットの仕様はA4サイズの巻き三つ折り。詰め込める要素はそれほど多くありません。苦労して用意した要素を泣く泣く削ぎ落とす場面も…。この「削ぎ落とす」というのも、デザインする上で大事なプロセスかと思います。
そうした試行錯誤の結果、出来上がったのがこちら!
決定稿と初期デザイン案を見比べると、文字のバランスや余白の取り方といった細かいところに違いがあるのが分かりますね。逆に全体的な配色(色合い)をみると、初期の段階からほとんど変わっていません。私としては珍しく、しっくりくる色選びができたかな? と思います。
5.入稿〜納品まで
さて、印刷物のデザインは「印刷する」までがお仕事。印刷所に印刷用のデータを渡すことを「入稿する」と呼びますが、この入稿データ作りはとっても大切な作業。なぜなら後から修正できるWebデザインやデジタルコンテンツとは違い、印刷後に誤りに気づいても修正しようがないのです!!
入稿準備がきちんとできる、というのは個人的にデザイナーの基本かつ最重要スキルだと思っています。印刷所によって独自の仕様があったりもするので、最終チェックは念入りに!
入稿が終われば、あとは納品を待つだけ…なのですが、実はこの間が一番ドキドキしてるかも(笑)
…という訳で、非常にとっ散らかった説明になって我ながら反省(汗)ですが、印刷物のデザインについて「おつまみ」してみました。いかがだったでしょうか?
余談ですが現在、このパンフレットのリメイクver.となる二つ折り版(A3見開きサイズ)の制作も進行中。校正は最終段階に入っております! 無事完成した暁には、色選びやフォント選びを含めたデザインコンセプトについて、もう少し掘り下げたお話をしてみようかな? などと画策しております。ご期待ほどほどにお待ちくださいませ。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
それでは、次回をお楽しみに!
2022.07.15
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