制作チーム「アトリエ∞(インフィニティー)」所属、グラフィックデザイナーのwachico.(わちこ)です。
今回の「おつD」は、前回お話しした通りの(当社比)軽めお遊び回です。
前回記事中で画像生成AI用のプロンプト(生成のために入力するテキストのこと)を生成するのにも活躍してくれた、今や皆さんご存知の対話型AI代表格「ChatGPT」。
そもそもの話になりますが、ChatGPTに画像生成機能自体はずっと前から搭載されていました。生成AIとして運営元「OpenAI」の公開している「DALL·E 3」を用いており、この度その「画像生成機能の強化」がなされた、というのが事の真相。まあざっくり言うと、ChatGPTだけでよりハイクオリティな画像生成ができるようになったよ〜、ってことでいいんですかね。
参考サイト(外部)
そんな訳で話題のChatGPTの画像生成AIで遊んでみた(職場で遊ぶな)模様・使用感や懸念点などなどを、いつもより「ちょこっと」感覚でお伝えできればと思います!
今回使用するのは基本的にChatGPTの無料版、途中で有料版(Plus)に加入して検証しています。また、真偽は不明ながら記事執筆途中でChatGPTの生成機能自体に仕様変更が発生したため(後述)、一部生成画像において編集作業を「Photoshop CC」を介して行っている部分があります。ここで語る情報については鵜呑みにせず、各自で詳細を調べて頂けましたら幸いです。
もくじ
【ChatGPTで画像生成AIを使うには?】
【「ChatGPTで描いてみた」ギャラリー!】
【ChatGPTの画像生成で注意すべきこと】
【まとめ】
【ChatGPTで画像生成AIを使うには?】

Copyrighted free use, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=145322793による
まず今回は「ChatGPTの画像生成AI機能」に絞ってお話するので、ChatGPT自体がどんなものかの説明は省きますね。先に知っておきたいという方は、以下のサイトを参考にしてみてください。
参考サイト(外部)
ChatGPTは「対話型AI」。なので画像生成をするときも、LINEみたいなSNSのテキストチャット感覚で使うことができます。わざわざプロンプト(AI生成のために記述する命令文)を用意せずとも、普通に会話する感じで「〇〇〇を描いて」とお願いするだけで、簡単に画像生成をしてくれます。
とはいえ結局のところ、AI生成に関してはきちんとしたプロンプトを用意するほうが、生成結果のクオリティアップに繋がるかと思います。でも理想的なプロンプトって、どうやって書けばいいのでしょうか?
ならばそこは対話型AI、疑問点は直接聞いてみることにしました。結果がこちら。

流石は対話型AIとあって、結構自然な会話で返してくれましたね。ほ〜、なるほどね。
これで準備万端! ここからは実際に、ChatGPTを用いて様々な画像生成に挑戦してみますよー!
【「ChatGPTで描いてみた」ギャラリー!】
本番前にテスト生成をしましょう。試しに描いてもらった画像がこちら。

季節やお花見に関連する記述は特にしなかったのですが、季節感に配慮してくれたのか(?)お花見みたいになりましたね。更にこの生成結果に対して、鮮やかな色になるよう調整を指示してみると……?

……とまあ、一通りこんな流れで生成していく、って事ですね。生成結果を見て具体的に修正・調整したい所を「自然な会話のように」指示できるのは、対話型AIならではの強みでしょうか。
参考サイト
では! ここからいよいよ「ChatGPTで生成してみたギャラリー」一挙大公開! 数日をかけて色んなジャンルの画像を作ってもらったので、じっくり見ていってください。特に最後の1枚は修正に修正を重ねた超力作となっております!

(水彩画)





(修正)




スケッチ画




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魔法少女



背景素材

合成ver. (Photoshop CC 使用)
(文章量の都合上、一部画像では記述を省略した部分があります)
なお今回の生成は基本的に、3つのステップに分けて行いました。
- 生成したい内容をなるべく具体的に書き、それに基づいたプロンプトをChatGPTに書かせる。
- プロンプトに気になる点があれば書き直させ、それを用いた画像生成を指示する。
- 生成結果を見て、修正・調整したいところがあれば具体的に記述して、再生成を指示(日本語の会話形式でOK)。以下、納得いくまでこれを繰り返す。※1
そもそも相手はAIなので、最適なプロンプトも自分で考えて書いてもらった方が早いかー、という感じでこの手順に。生成結果によって追加修正が必要なところは、普通に日本語で入力しました。人力でなくてもいい面倒なところは、遠慮なくAIに任せにしてヨシ!
なお権利侵害やフェイクの生成を防ぐため、必ず「著作権や肖像権侵害の恐れがある表現・暴力的や性的な表現は避けてください。」という文言を入れた上で、各プロンプトの生成をさせています。

たった1枚作るために、何度も何度も何度も試行錯誤の日々……。
またギャラリー最後の「架空TVアニメのキービジュアル」に関しては、試行錯誤中に生成された画像情報をChatGPTに抽出・リスト化してもらい、それら各画像を元に修正箇所を指定・再生成しています。生成した画像をダウンロードしておき、それをアップロードして参照してもらいながら、修正箇所を指定することもできていました。※2
例えば「Aの画像の〇〇〇色の髪の少女の服装を、全体的に〇〇〇色の配色に変更して、Bの画像に描かれた〇〇〇色の髪の少女に着せてください」……といった感じで、プロンプトだけの生成よりも更に具体的な指示ができたのですね。つまり複数の生成画像を合成するようなものです。※3
「架空TVアニメのキービジュアル(合成ver.)」については、キャラクター1人ずつ(ギャラリー内参照)+背景素材を、これまでの生成結果を参考にしながら別々に描き直してもらって、出来たものを合成し1枚にする手法をとりました。この合成に関する編集にだけはPhotoshopを使いましたが、生成した画像の背景透明化・拡大縮小など、最低限の加工しかしていません。
プロンプトについては物量が膨大すぎるので大半を省きましたが、このように1つずつ生成する方が圧倒的に絵としての破綻が少なく、理想的な生成結果を得やすく感じました。こういった集合絵作りの際は、ぜひ参考にしてみてください。
ちなみに完成までの具体的な手順が気になる! という方は、この記事にコメントください。今後こちらのブログか、姉妹サイトにて(いつか知らんけど)ブログ記事にさせて頂きます!
※1:2025日4月27日時点、この方法での再生成はできなくなってしまったようです。理由としては、別の生成画像を参照して内容を細かくコピーする指示は、ポリシー上、著作権やオリジナル性に関わるリスクとみなされることがあるから(ChatGPTの回答から引用)だそうです。ただし、有料版ではある程度意図を汲み取って生成してくれるようです。
※2:2025日4月27日時点、この方法での生成はできなくなってしまったようです。理由としてはアップロード画像、特に「直前に生成した画像を参考に」という形で、具体的なデザインを模倣・転用する指示は、オリジナル作品の再利用や模倣指示に該当する可能性がある、と自動的に判断されることが多い(ChatGPTの回答から引用)ためだそうです。
※3:ChatGPTの回答によれば、※1・※2と同様の理由からChatGPTでは不可能とのことです。
【ChatGPTの画像生成で注意すべきこと】
■注意点その1:ChatGPT本来の役割は、あくまでも「対話型AI」
……と、まあ散々画像生成で遊び倒しておいて難ですが、ChatGPTの本質は「対話型AI」。そのため本業の「画像生成AI」達より細かな修正を伝えやすい、という長所をもつ一方、ある意味劣るところもあります(これについては後述)。なので今回のようにプロンプトを最適化してもらい、それを別の画像生成AIで用いるような使い方がベストなのかな? と個人的には思いました。
例えば「〇〇〇(AIやアプリ名)で使用するプロンプトを作って」と、画像生成AIの種類を指定して作成をお願いすることもできます。対話型AIであることを上手に活用していきましょう!

また、無料版での利用だと1日に画像生成できる回数やアップロードできる画像、一度にやり取りできる会話の回数などなど、機能まわりにかなりの制限があります。会話は数時間ほど、画像生成はその日の最初の生成から24時間待たされます。どうしてもChatGPTで画像生成がしたくて、お仕事など何らかの理由で頻繁に使うなら有料プランへのアップグレードは前提条件、と考えていいでしょうね(日本円で月額3,000円なので、そこはお財布と相談で……)。
■注意点その2:それなりのマシンスペック・インターネット回線が要求される?
前回・前々回でご紹介したCanvaやAdobe Expressでも、画像生成AIの機能が利用できましたよね。筆者の環境では生成にかかる時間は十数秒〜30秒もあれば十分で、しかもこれらは1度に4枚の画像を生成してくれるし、拡大・縮小も自由自在と大変融通が効きました。
参考:前回・前々回のブログはこちら!
しかしChatGPTでは(理由は分からないのですが)かなり処理が重くて、1枚生成するのにおよそ1分30秒〜2分程度、場合によってはそれ以上の時間がかかってしまいました。サーバー側の状況によっては生成に時間がかかり過ぎて、うまくいかない時も。また筆者よりかなり低スペックのマシンでは、そもそも画像が正常に出力されない(単純な色面や図形の集まりのような絵が出てくる)、といった例も確認しています。
そのため、あくまでChatGPT(に限らず他の生成AIでも言えることですが)を使った画像生成をするならば、それなりのスペックがあるPCやインターネット回線を用意する必要がありそうです。
ご参考までに今回の画像生成に際して、筆者の執筆時現在(2025年4月)の作業環境をざっくり書き出しておきます。コンピューターの専門的な知識がないと意味が読み取れない類の情報だと思うので、気になる方だけ以下をクリックしてご覧ください。
使用マシンスペック(参考情報) ※クリックで開く
MacBook Pro(2023年1月モデル)
チップ:Apple M2 Max
メモリ:32GB
CPU:12コア
GPU:38コア
OS:Sonoma 14.7.5
■注意点その3:生成結果の安全性・信用度にはまだまだ課題がありそう
過去のブログでも少し触れていますが、生成AIといえば必ずついて回るのが「著作権・肖像権の侵害」「盗作や偽造(フェイク画像・動画など)」にまつわる問題。人間が生成AIを悪用すれば、他人に不快感を与えるのみに留まらず、大きな社会問題にまで発展しかねないという危険性があることを、常に頭の片隅に置いておかなければなりません。
一例としては「〇〇〇という作品の〇〇〇というキャラクターが、〇〇〇〇〇をしている様子」といった、人の手で直接作らない二次創作がありますね。既存の画像自体を直接学習させて生成する行為(いわゆる「i2i(image2image)」のこと)を、オフィシャルな画像や他人の描いた作品で行うことは、言うまでもなく犯罪です。また生成画像がオフィシャルのものと同一視されるレベルで似ていたり、原作者に対し何らかの損害を与える意図で暴力的・性的・侮蔑的・差別的な表現を用いる……といった場合も、原作者側から訴訟を受けたとて一切文句は言えません。どうあっても、やった方に非があります。
……と、いうことで今度は、危険を承知で「某アニメ作品の二次創作画像生成」を指示してみました。勿論、ここで公開する画像自体には加工処理を施してかなり不明瞭にした上、AI学習防止処理を施してはいますが…………、うん、まあまずは何も言わずに見てください。
…………うーん、これは完全にアウト!!!!!
流石に原作と絵のタッチは全く違うんですが、たった2〜3回程度のやり取りで、表情やしぐさから該当のキャラクターらしさが分かり、髪型や目の色・着ている服の細かいディティールもきちんと原作準拠で描き切ってきました。原作アニメを少しでも知る人が見れば、一発で「あのキャラだ!」と判別するには十分すぎる程に。自分から著作権がどーのこーの言ってる割にやることはエグいChatGPT氏……。
ちなみに試作途中に「某超有名人の写真」も描かせてみたのですが、たった2〜3単語の指示で、最早モザイク処理でさえお出しできないような代物が生成されてしまいました。プロンプトなしで。これは肖像権のみならずあらゆる犯罪を防ぐために、早急な法整備等の対策が望まれますね……。
なお2025日4月27日辺りに実施されたとみられる前述の仕様変更は、これら著作権・肖像権保護を目的とした対策のひとつだと思われます(詳細は不明)。

……と、このように発生を完全に防ぐことは難しいにしても、それによる社会的損失の度合いを考えるなら、まずは生成AIを開発・提供する側が一定の対策を講じるべきだと改めて思いました次第。いや本当に簡単すぎてあまりにも闇鍋すぎるってこの界隈。
そして、それは私たちユーザー側でも同じこと。一人ひとりが「画像生成AIという絵を描く道具」を用いる、一創作者としての自覚を持つべきです。そして大人たちは子どもたちに対し、きちんと生成AIについて教育すべきだと心底感じましたね。
だって、決してAI=悪ではない、と私は信じたいですから。
【まとめ】
と、いうことで。ChatGPTで自由に遊び倒しただけの回でした。お楽しみいただけましたか?
これからも発展していくだろうAI技術で、色んな人が楽しく、面白く、役に立つ、そして他人を傷つけない作品をたくさん作っていけたらいいですね。
なおミューズ明石クロノスでは、何とこの度新たに「AIクリエイター」の職種を募集開始しております! これまたタイムリーな話題、誠にありがとうございます。
我こそはAIマイスター! という方、ぜひぜひご応募をお待ちしております。詳しくは求人ページか、以下の記事をご覧くださいませ。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
それでは、次回をお楽しみに!
※画像お借りしました:いらすとや様
※当記事中の一部画像には、商用利用可能な生成AI技術を用いています。
※当記事の一部画像には、無断転載や不正なAI学習を抑制するため「Glaze」による特殊な画像加工を施しています。詳細については以下をご覧下さい(英文表記)。
2025.4.28
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