制作チーム「アトリエ∞(インフィニティー)」所属、グラフィックデザイナーのwachico.(わちこ)です。
今回の「おつD」は「色彩心理学」をテーマにお届けします! 好みの色からその人の気持ちや性格を読み取ったり、色の持つ特性を生活の中に取り入れ活用する、心理学の一種ですね。「そもそも色彩心理学って何ぞや?」という方は、過去に「色と心理」についてちょっとだけ触れたブログがあるので、良ければご参考にどうぞ。
ただ、やっぱりこの場で語る以上、専門的な言葉でぶん殴るかのような小難しい話にはしたくない……ので! 本記事では「誕生色占い」を使って、色彩心理学の世界をちょこっと覗いてみようかな〜と思います! 果たして誕生色占いって本当に当たるんでしょうか? それとも……?
なお本記事は参考文献として、以下の本を基準に書き進めていきたいと思います。昔古本屋さんで見つけて、ネタ帳兼色見本帳代わりにいいな……と購入したものです。こんな形で役に立つとはよもやよもや。
参考文献
誕生色占い – ミシェル・バーンハート (著), 柴田 さとみ (翻訳)
またお手元に本がない方は同色のリストが以下のサイトにありますので、この記事を読み進めながら見てみてください。色と大まかなイメージだけなら把握できるかと思います。
画面上の色の見え方は、使っている端末(PCモニターやタブレットなど)の種類・色に関する設定・または個人の色覚特性や、その時々の心理状態によっても微妙に変化します。そのため、記事中の色見本は正確な色を保証するものではない旨を、予めご了承ください。
もくじ
【誕生色占いのはじまり】
【誕生色からわかることって?】
【wachico.の誕生色を占ってみた!】
【誕生色はデザインにも応用できる!?】
【まとめ】
【誕生色占いのはじまり】
ではまずそもそもの「誕生色占い」の起源と、その概要を見ていきましょう。
誕生色占いとは、誕生日からその人だけの色(誕生色)を割り出して、その色から性格や運勢・相性などをみる占いの一種。色彩論と占星術を組み合わせた「カラーストロロジー」という概念から生まれたとされ、日本では和の色彩学や気学などを応用して更に発展した、ともいわれます。
ちなみにカラーストロロジーという考え方は、今回の参考文献著者であるミシェル・バーンハート氏が提唱したものです。そのため根拠のある参考文献として、特に問題ないと判断し採用しております。
そして、実は月毎にも誕生色は定められています。Web検索情報による一般的な誕生月色と、参考文献による各誕生月色には違いがあったので、それぞれ比較してみましょう。
一般的な誕生月色
カラーストロロジーの誕生月色
1月:赤(#ff0000)
2月:紫(#9400d3)
3月:水色(#00ffff)
4月:白(#ffffff)
5月:緑(#008000)
6月:乳白色(#fffaf0)
7月:桃色(#ffc0cb)
8月:黄緑(#90ee90)
9月:青(#0000ff)
10月:オレンジ(#f39800)
11月:黄色(#ffff00)
12月:黒(#000000)
1月:キャラメル(#bc611e)
2月:シアー・ライラック(#bb97c6)
3月:フェア・アクア(#bce5df)
4月:カイエンヌ(#e04951)
5月:バド・グリーン(#7cb469)
6月:アスペン・ゴールド(#fed65e)
7月:コラル・ブラッシュ(#e7b6be)
8月:サン・オレンジ(#f48037)
9月:バジャ・ブルー(#5a69af)
10月:セルリアン(#9bb7d4)
11月:クラレット・レッド(#c35369)
12月:パゴダ・ブルー(#2f8293)
※カッコ内は対応16進数(HTML)カラーコード。一部の文字色見づらくてすみません。
参考サイト
色の系統は概ね同じ感じですが、まったく違った色が当てはめられている月もありますね。
ともあれ、これら「誕生月色」と「誕生色」、それぞれの意味を組み合わせて考えるのが、誕生色占いの基本って感じですね。
ただまあ、占いは結局「占い」なので。どこまでをどう信じるも、信じないもあなた次第です!
【誕生色からわかることって?】
さて、では早速誕生色占いをやってみましょう! まずは今月・5月の誕生色から一例をあげて見てみます。メモとしてカラーコードや色見本帳の番号などといった色情報も書いておきますが、今回のテーマには直接関係しませんのでこの辺はスルーして頂いて構いません。

引用元:https://www.i-iro.com/birth/category/may
ここは「こどもの日」である、5月5日の誕生色「ケリー・グリーン」について見てみましょう。

色情報
ケリー・グリーン(Kelly Green)
PANTONE:16-6138 TPG
カラーコード:#339E66
RGBカラー:R 51 G 158 B 102
LABカラー:L 57.68 a -42.23 b 18.43
誕生色占い(文献より引用)
“深い人間性と才能に溢れ、何でもこなす多才な人”
5月5日生まれのあなたは
様々な才能に恵まれたあなた。周囲の人々はそんなあなたのカリスマ的魅力に惹かれ、その個性に興味を感じずにはいられません。強固な意志を胸に抱き、人を納得させる説得力を備えるタイプの人です。
色のもたらすパワー
歓喜と安定とを組み合わせてくれるケリー・グリーン。この色を身につけたり、色彩を静かに心に思い浮かべたり、身の回りに取り入れてみてください。きっと人生のどんな局面も、しっかりと受けとめることができるはず。
自分の内面を磨くことと、外の世界で社会的ポジションを確立し職業上の成果をあげること、そのどちらも同等に価値あることだと気づかせてくれる色です。
相性のいい誕生日(文献より引用)
7月1日/8月1日/11月5日
豆知識
実はアイルランドにとてもゆかりのある色。アイルランドの国旗に使われている色で、深く鮮やかな緑色はアイルランドの豊かな自然を思わせます。
ケリー・グリーンの「ケリー(Kelly)」は、女優のグレース・ケリー(Grace Kelly)のように、アイルランドの一般的な名前に由来しているよう。また、アイルランドの南部は豊かな自然に恵まれており、観光スポットとしても人気のあるケリー州があります。
……とまあ、こういった感じです。
他にも幾つか、誕生色とキーフレーズをピックアップしてみますね。

ピンク・ネクター(Pink Nectar)
“デリケートで美的センス溢れる才能の人”
2月24日の誕生色

ポピー・レッド(Poppy Red)
“不思議と人を納得させる、おおらかさと情熱の人”
4月9日の誕生色

バード・オブ・パラダイス(Bird of Paradise)
“言葉を愛し自己を愛する、天性のストーリーテラー”
6月12日の誕生色

アクアティック(Aquatic)
“ひたむきで独特の個性を持つ笑いの天才”
7月5日の誕生色

ボージョレー(Beaujolais)
“人を納得させる話術をもった洞察力鋭い熱意の人”
10月29日の誕生色

ポーセリン・グリーン(Porcelain Green)
“賢く礼儀正しい革新的な精神の持ち主”
12月10日の誕生色
いかがでしょう? 自分の誕生日占いが気になってきた方は、古本屋さんなどでも手に入る可能性は十分ありますので探してみてくださいね!
【wachico.の誕生色を占ってみた!】
さて、突然ですが私・wachico.の誕生日は6月10日。ということで誕生色占いは本当に当たるのか? を、実際に誕生月色と誕生日色から(独断と偏見で)確かめてみたいと思います!
まずは6月の誕生月色である「アスペン・ゴールド」の占いからチェック。

色情報
アスペン・ゴールド(Aspen Gold)
PANTONE:13-0850 TPG
カラーコード:#fed65e
RGBカラー:R 99.61 G 83.92 B 36.86
LABカラー:L 86.985 a 0.962 b 62.804
誕生色占い(文献より引用)
“燦然と輝き、知性にエネルギーを注ぎ込む高揚の色”
6月を象徴する月カラーは、アスペン・ゴールド。見る者にエネルギーを注ぎ込み活発な活動を促すこの色は、まばゆい光と輝きに満ちています。
人の心を明るく励まし、まるで太陽の光が差し込んだかのように人生を照らしてくれるアスペン・ゴールド。6月はコミュニケーションをつかさどる水星が天空を横切る月。この色のもつイエロー系の色彩は、頭脳を刺識し、知性と精神的な敏捷性を高めてくれるといわれています。
色のもたらすパワー
“コミュニケーション能力と記憶力を高めたい人に──”
アスペン・ゴールドは太陽の光によく似た色。その輝きは暗闇を追い払い、喜びと楽観をもたらしてくれます。
この色を身につけてみてください。アスペン・ゴールドは明瞭に、そして巧みに言葉を操る力を高めてくれる色。その色彩が視界に入ることで、すらすらと言葉を紡ぎ出せる自分を感じるはず。
試験に臨むときや人前でスピーチをするといった場面で力を借りるには、まさに最適な色です。
豆知識
アスペン・ゴールドといえば、実は缶スプレー塗料ではお馴染みの名前。大手塗料メーカー「アサヒペン」では、メタリックカラー系のアクリルラッカースプレーを「アスペン」というブランド名で商品展開しています。またコスメや文房具などでもチラホラ確認できたので、意外と様々な場面で使われている名称のようですよ。
続いて、6月10日の誕生色「ゴールデン・ナゲット」も見ていきます。

色情報
ゴールデン・ナゲット(Golden Nugget)
PANTONE:16-1142 TPG
カラーコード:#E19E5A
RGBカラー:R 225 G 158 B 90
LABカラー:L 71.33 a 20.86 b 46.57
誕生色占い(文献より引用)
“一心に集中できる才気に満ちた成功者”
6月10日生まれのあなたは
生まれながらにして成功を約束されたあなたは、注目を浴びることを好むタイプ。てきばきと有能で手際が良いため、何かに取り組むときに他人の許可を待つのが少々じれったく感じられることも。活発な知性を備え、いつも頭をフル回転させているあなた。ときには身体を動かしてみることが、幸せを呼ぶ秘訣です。
色のもたらすパワー
あなたの光り輝く魂をさらに照らしてくれるゴールデン・ナゲット。この色を身につけたり、色彩を静かに心に思い浮かべたり、身の回りに取り入れてみてください。この色はあなたの感情のバランスを保ち、気分を安定させてくれるでしょう。
相性のいい誕生日(文献より引用)
1月19日/4月16日/7月7日
豆知識
ゴールデン・ナゲット(ゴールド・ナゲット)とは、調べてみると何と「金塊」のことだそう! 金塊の石言葉は「大いなる野望」。「魔よけ」の意味も持つとか。
なお6月には父の日がありますが、この行事は元々日本独自のものでなく、アメリカから日本に入ってきた行事。海外では金塊=父親の象徴、とも言われ、父の日に貴金属(宝石)やバラを贈る風習があるみたいですね。
また、金塊は人の手で磨かれていない(手を加えていない)金属。そこから転じて「ありのままの姿」を象徴するともいわれます。
参考サイト
……と、一通りこんな感じでした。ではここからは忖度なしに、どれくらい納得できたか・できなかったかの感想を述べていこうと思います。
当たっていると思うポイント
当たっていないと思うポイント
ということで感想としては「全体的にまあまあ当たってる!」……というところでしょうか。意外と深いところを言い当ててくるので、ちょっとドキッとしたりもしました。どこが、とは言いませんが。
で……この感想、他の方からはどう見えてるんでしょうね? そっちの方がちょっと気になるかも。
【誕生色はデザインにも応用できる!?】
さあ、長かったですが実はここからが本番! この「誕生色」という概念、デザイン的な側面で活用できるものなのでしょうか?
まずはその前提として、誕生色を「色彩心理学的な観点」から分析してみます。

まずは改めて、ゴールデン・ナゲットの色をよく見てみましょう。ゴールデン・ナゲットは黄色に少し暗い赤みを足したような、オレンジっぽい黄色をしていますね。日本の伝統色でいうと「小麦色」に近い色合いです。
ただこんなテーマを掲げつつ申し訳ないことに、自分はそこまで色彩心理学方面に明るい人間ではないので(大学で講義受けた程度の色彩検定3級止まり)……。これらの色が持つ心理学的な意味を、以下のページにある情報から分かる範囲で探ってきました。
参考サイト
黄色(イエロー)の持つ意味
- 希望と知性を照らす色:暗闇を照らす明るい太陽のように人々に希望を与え、楽しい感情を生み出す色。左脳を刺激し、知性と判断力を高める。
- 甘えと自己アピールの色:目立つ色で、心理的にも自己アピールが強い時や目立ちたい時に気になる色。人前に立って何かをする時や周囲に注目されたい時は、ファッションに取り入れると良い。
- イエローが好きな人は好奇心旺盛:明るく知的でユーモアのセンスがある反面、興味を引きたいがために幼稚な行動をとったり、責任逃れを企てたりと、無邪気な子どものようなタイプ。
- 便通をよくする。
- 金運を高める風水的効果が見込める。
橙色(オレンジ)の持つ意味
- 太陽のようにあたたかく照らす色:レッドとイエローが混ざった色で、太陽のようなあたたかいエネルギーを与える。オレンジが好きな人は、陽気で人付き合いがよく社交的なタイプが多い。
- 人とのつながりをサポートする色:人々の心を開き、陽気でカジュアルな気持ちにさせる効果がある。会話をはずませ、人間関係をサポートしたい時に取り入れたい。
- 食欲増進効果:胃腸を刺激し食欲を促す効果あり。飲食店のインテリアやWebデザインにもよくオレンジ系の色が使われる。
- 心のショックを癒す色:オレンジのあたたかい光は、傷ついた心に勇気を与える力をもつ。不安や恐怖、プレッシャーに押しつぶされそうな時は、オレンジの効果を取り入れると心のバランスを保ちやすい。
- 健康的で社交的な印象を与える。
- 陽気でカジュアルな空間作りに。
ここまでまとめてみて面白いなぁ、と感じたのは、どちらの色にも「他人と関わりを持つ」要素が含まれていることです。
「興味を惹きたい・甘えたい」黄色と、「陽気で社交的・人の心を開かせる」橙色。これ、前者は「どうにか変えたい今の私」、後者は「こうなっていたい未来の私」を的確に表現しているように思えました。誕生色占いの内容を合わせると、ちゃんとこの要素が部分的に反映されている気がします。
あとは「ゴールデン・ナゲット=金塊」の石言葉、「大いなる野望」についても少し。まあ、野望……は人並みにあるかどうかわかりませんが、大いなる欲望とか大いなる邪心なら確実に持ってる自信ありますね。今後はもうちょっと慎みを持ちたいと思います。……何の?

※ALTテキストにプロンプト記述
と、それはさておき。黄色やオレンジに「人の心を惹きつけるパワー」があると仮定すれば、上手くデザインに取り入れることでポジティブな効果が見込めそうです。黄色やオレンジ・赤などの「暖色系カラー」は、全般的に見る人にエネルギー(活力)を与える色ですからね。
思い浮かぶのは、クライアント(お客様)との打ち合わせの場面でしょうか。ファッション・鞄・アクセサリーなどに、さり気なくこれらの色を取り入れる方法があるでしょう。無意識的に相手の心に働きかけ、ポジティブな会話が引き出せるかも?
ただし彩度が高すぎる黄色は、警戒色(人間が本能的に危険を感じる色)を彷彿とさせる恐れもあるため、パステルカラーやくすみカラーを上手く使うなど工夫することで、相手の心を開きやすくなるかもしれませんね。ま、私ファッションは大の苦手なんですけど(汗)。

また近年は、Web会議ツールでのやりとりも一般化しています。Webカメラ映像の背景に黄色系のカラーを取り入れてみる、なんてアイデアもアリかもしれません。あれ、背景設定にかなりその人の個性が現れると思うんですよね私。……私ですか? ただのボカシ背景ですね(何か作ろうかなぁ……)。
【まとめ】
と、いうことで。今回は色彩心理学と占い、そしてデザインへの応用法について考えてみました。正直、信ぴょう性があるかないかは最後まで分かりませんでしたが、全くの無関係でもなさそう……というのが個人の印象。皆さんはどう感じましたか?
ちなみに、ミューズ明石クロノスの姉妹サイト「Mother Moon(マザームーン)」では、主にホロスコープ(天体配置図)を用いた心理占星術占い・ピアサポートなどのセッションを受けることができます。
対面ですがオンライン(zoom)で受けることができるお手軽さなので、こういった占い・ピアサポートにご興味のある方はサイトを覗いてみてくださいね!
姉妹サイト
ここまでお読み頂きありがとうございました。
それでは、次回をお楽しみに!
※画像お借りしました:いらすとや様
※当記事中の一部画像には、商用利用可能な生成AI技術を用いています。
※当記事の一部画像には「ChatGPT(DALL-E3)」によってAI画像生成した物が含まれます。なお該当画像のALTテキストには、可能な限り生成時のプロンプトを併記します。
2025.5.30
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