デザイン事業部「アトリエ∞(インフィニティー)」所属、グラフィックデザイナーのwachico.(わちこ)です。
本編に入る前にまず、先月発生した「令和8年熊本地震」の影響で、いまだ被災地では多くの方が不安な日々を過ごされていることかと存じます。この度、被災されたすべての皆さまに、心より深くお見舞い申し上げます。そして被災された皆様の命と心を守る活動をされている、全ての方々に感謝と敬意を。
1日も早く、被災地に日常が戻るようお祈り致します。

※ChatGPTによる生成
そこで今回の「おつD」は、災害時・防災に活躍する「伝わるデザイン」をメインに据えたいと思います。
正直なことを言うと、今回のような災害が起きた「直後」からしばらくの間は、ビジュアル(グラフィック・Webなど)系統のデザイナーに出来る被災地支援なんて、ほとんど無いのかもしれません。これは「東日本大震災」の時に芸大生だった私が直面した、現実です。
……でも、それが「起こる前」なら、できることはあります。準備ができます。
災害が起こると、避難情報・交通情報・ライフラインの状況など、たくさんの情報が一度に発信されます。更に言うとその中には、悪意あるデマ情報も無数に紛れています。私たちは、そんな状況から「今、自分に必要な情報」を、できるだけ早く見つけなければなりません。
そんな時に「ここにあるよ!」「あっちだよ!」と、彷徨う手を最短距離で引っぱりあげる「手」をつくること。それこそが、真の「デザイン」ではないかと私は思うんです。
「グラフィックデザイン」と聞くと、ポスターやロゴ、イラストなど、「見た目をきれいにするもの」というイメージを持つ方も多いかもしれません。もちろん、それも正解です。
でもデザインにはもうひとつ、大切な役割があります。
それが、「必要な情報を、必要な人へ、正しく伝えること」。
「防災」という身近なテーマを通して、「伝わるデザイン」の工夫を一緒に見ていきましょう!
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もくじ
【「非常口」は、なぜ一目で分かるの?】
【災害のときは「すぐ伝わる」が何より大切】
【「ハザードマップ」というデザイン】
【「伝わること」が、デザインの一番大切な仕事】
【まとめ】
【「非常口」は、なぜ一目で分かるの?】

Rebirth10 – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0,
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=45484502 による
駅や学校、ショッピングモールなどで見かける、あの緑色の「非常口」マーク。普段はあまり意識しませんが、もしもの時には「あそこから避難できる」と、すぐに分かる目印です。
例え日本語が読めない海外の方でも、小さなお子さんでも、「出口」を直感的に理解できるデザイン。文字だけでなく、人が出口へ向かって走るピクトグラム(記号的なイラスト)をメインにして、よりその意味を伝わりやすくしているのです。
ピクトグラムって?
言語や文化の違いを超えて、視覚的な図記号で直感的に情報を伝える絵文字や案内用図記号のこと。
極力言語情報を必要とせず、誰もがひと目で意味を理解できるようにデザインされています。
現代日本のピクトグラムは、1964年の東京オリンピックを契機に「訪れる多くの外国人に対し、言葉の壁をなくしたい」と新規にデザイン・また改良されていき、結果その「伝わりやすさ」は世界中に普及していきました。
実はこの非常口マークには、あまりにも悲しい「誕生秘話」がありました。
1970年代の日本では、100名以上の犠牲者を出す大規模なデパート火災が相次いでいました。当時の非常口の看板は、小さく「非常口」と漢字で書かれていただけで、火災の煙で文字が遮られて見えなくなった結果、多くの人が逃げ遅れてしまったのです。そのため、「文字が読めなくても、煙の中でも一目でわかるマーク」の考案が急がれました。
こうして、炎の「赤」に包まれている環境下で視認しやすい色であり、色彩心理的にも「安心・安全」をもたらす色である「緑」を選んだ、現在のようなデザインができました。
日本のデザインしたこのマークは、後に国際標準化機構(ISO)によって世界標準となりました。現在はイギリス・韓国・ニュージーランドなどをはじめ、世界中で日本の非常口と同じ・またはこれに準ずるデザインが用いられているそうです。
つまり、非常口のマークは「できるだけ多くの人に、一瞬で伝える」ための、洗練されたグラフィックデザインと言えるのですね。

※各ピクトグラム画像引用元:防災グッズ専門店 防災プロの地震対策SHOP
クイズの答え(クリック or タップで開く)
A. 避難所
災害により自宅で過ごすことが困難になった時、一時的に生活する場所です。学校や公民館などの公共施設が利用されることが多く、食料や水の備蓄がされています。
B. (広域)避難場所
災害が起きた時、火災や津波などから身を守るための一時避難場所。基本的にグラウンドや公園、高台などの広い場所であることが多いです。
C. 非常口
お馴染みの「非常口」マーク。ちなみに白背景のものは別名「通路誘導灯」と呼ばれており、これを探して進めば速やかに非常口へ辿り着けます。
D. 津波避難場所
津波から安全に避難できる場所・高台を示します。常日頃から自宅や学校・職場付近にこのマークがあるか、確認しておくと安心です。
E. 津波避難ビル
津波から安全に避難できるビルを示します。近くに高台がなくても、この表示があるビルなら安全に避難できます。通勤・通学路の途中などに、このマークがあれば覚えておきましょう。
【災害のときは「すぐ伝わる」が何より大切】
災害時は、落ち着いて長い文章を読む余裕がないこともあります。
だからこそ、防災に関わる情報には、
などがよく使われています。


引用:https://ba.sozo.ac.jp/tmiwa/pict/index.html
例えば「避難所はこちら」という案内も、文字だけで書かれているより、矢印や地図が一緒にある方が、迷わず目的地へ向かいやすくなります。これは、当ブログでも以前ご紹介した「見やすさ」や「情報の優先順位」と同じ考え方です。
■参考:レイアウトに関する過去記事
情報を整理し、必要なものから目に入るようにする。そんな工夫が、災害時には特に大切になるのです。
【「ハザードマップ」というデザイン】
少し意外かもしれませんが「ハザードマップ」も立派なデザインです。

引用:https://www.city.akashi.lg.jp/anzen/anshin/bosai/hazardmap/hazardmap202203.html
ハザードマップは洪水や土砂災害などの危険区域が色分けされ、避難所や避難経路なども記号を使って整理されています。もし、すべて同じ色・同じ文字で書かれていたら、必要な情報を探すのに時間がかかってしまうでしょう。
情報が多いからこそ、
を一目で伝える工夫が必要になります。
見た目を整えるだけではなく、「迷わないようにする」ことも、デザインの大切な役割です。
【「伝わること」が、デザインの一番大切な仕事】
ポスターやチラシ、Webサイトも、防災の案内表示も、どんなデザインにも共通しているのは「相手に伝える」という目的です。
どれだけかっこいいデザインでも、必要な情報が伝わらなければ、本来の役割を果たせません。
だからデザイナーは、
そんなことを考えながら、一つひとつのデザインを作っています。
デザインとは、見た目を飾るためだけではなく、人の行動を支え、安全や安心につなげる力も持っているのです。
【まとめ】
今回の地震をきっかけに、「情報を正しく伝えること」の大切さを改めて感じた方も多いのではないでしょうか。
私たちの身の回りには、非常口のマークや案内板、避難経路表示など、「伝えるためのデザイン」が数多くあります。普段は何気なく見過ごしているものにも、「一瞬で伝えるため」の工夫がたくさん詰まっています。
今度、駅や商業施設へ行った時にでも、ぜひ少しだけ周りを見渡してみてください。
そんな視点で見てみると、身近な場所にも、たくさんのデザインが隠れているはずですよ。
おまけ:身近な「伝わるデザイン」を探してみよう!
次にお出かけしたときは、こんなデザインを探してみましょう。
「どうしてこのデザインなんだろう?」と少し考えてみるだけでも、いつもの景色が違って見えてくるかもしれません。
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ここまでお読み頂きありがとうございました。
それでは、次回をお楽しみに!
※当記事の一部画像には「ChatGPT」によってAI画像生成した物が含まれます。なお該当画像のALTテキストには、可能な限り生成時のプロンプトを併記します。
※当記事の一部画像には、無断転載や不正なAI学習を抑制するため「Glaze」による特殊な画像加工を施しています。詳細については以下をご覧下さい(英文表記)。
2026.08.14





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