制作チーム「アトリエ∞(インフィニティー)」所属、グラフィックデザイナーのwachico.(わちこ)です。
今回の「おつD」はブログ連載2周年スペシャル! これまで長きに渡り看板を飾ってくれたアイキャッチ画像(記事の最初にある画像)を、満を辞してリニューアルしちゃいました!!
……とは言え別に特段キャラクターが一新されるとか変わった事をするわけでもなく、単に私が「そろそろ(なんか見てられねぇから)描き直したいなぁ…」と思ってて、さてやるか〜…ってタイミングがなんか丁度2周年だった、ってだけのことなんですけどもね。自ら台無しにしていくスタイル。
ということで、これから早速その製作過程をご紹介します。主な使用ソフトはIllustrator CC。Photoshop CCも少しだけ使います。実際の作業画面や動画も交えながら参りましょう!
なお、今回は実践メイン。そのため大変申し訳ありませんが、ある程度Illustrator・Photoshopの基本が分かっていることを前提として進めていきます。なので事前に以下の関連過去記事をお読みいただく方が、少しは分かりやすいかも…と思います。
Illustrator・Photoshopというソフト自体について
ペンツール(ベジェ曲線)の仕組みについて
もくじ
【01.ラフスケッチ〜下描き】
【02.レイヤー分け】
【03.描画・塗り〜調整】
【04.背景作画〜仕上げ】
【まとめ】
【01.ラフスケッチ〜下描き】
今回は全体のイメージを決めずに、まず先行してキャラクターの作画から検討。袖の長さや小さめの頭身バランスなど部分的にリファインしつつ、ベースのキャラクターデザインはそのまま続投することとしました。
あとは気に入った絵になるまで描く。描く。ひたすら描く。とにかく描いて描いて描きまくる。……ちょっとしぬほど眠かった時の意味不明な残骸とかあるけど気にしちゃダメです(笑)
……で、結局最初のほうに描いた案に落ち着くのもこれまたいつも通り。
このまま作画に移っても構わないのですが、今回は録画前提でしたので、撮影をスムーズにするためにラフの清書をしておくことにしました。つまり上のラフは「下描きの下描き」ということになりますね。
以上を経て、下描きの完成です。いよいよIllustrator CCでの本作画に移ります。
【02.レイヤー分け】
続いて、準備した下絵をIllustratorのアートボード上に配置。これで作画の準備は整いましたが、画面録画をしながら作業すること、また後にこのデータを試験的にアニメーション(簡易的なVtuberの「立ち絵」みたいなイメージです)させてみたいな、とも思っていまして。そのこともあり、先にパーツ毎のレイヤーを準備しています。
レイヤーとは、言うなれば「無色透明なトレーシングペーパー」のようなもので、任意に入れ替えられる前後関係や入れ子関係・効果の付与(Illustratorの場合はオブジェクト毎に付与できる)といった要素を持っています。現場ではこのレイヤー分けが効率よくできるか・効果的に活用できるかどうかに、デジタルクリエイターとしての熟練度がそのまま現れるような気がしています。
「右瞳」「左瞳」「口」…といったように、かなり細かく分けているのが分かると思います。これは後に別ソフトでアニメーションを付ける場合、レイヤー毎に動きをつける仕組みがある…というのも考慮しての分け方。普通はここまで分けなくても十分。
私の場合いつもは描きながら気分で随時レイヤー分けをしているというテキトーさ。ですが今回ばかりは前述の理由から、あらかじめ必要そうなレイヤーを用意しておき、あとはいつも通り成り行きでレイヤーを足していく想定で用意してみました。
【03.描画・塗り〜調整】
では、ここからの作業はタイムラプス(に、見せかけた早送り)動画でお送りします。その前に、実際はどのような感じで描画しているのかを等速でご覧ください。
ペンツールによるベジェ曲線の描画(等速)
基本的にマウスとキーボードによるショートカットで描いていきます。ただ、例えばこの絵だとスカートの裾のようなランダムな線などは、ペンタブレットの方が圧倒的に描きやすいので、今回は部分的にペンタブレットも併用しながら描いています。
<Illustratorの主な使用ツール>
ペンツール
ベジェ曲線によるパスを描く、Illustratorにおける基本中の基本ツール。
塗りブラシツール
普通の「ブラシツール」では「線」を描画するが、こちらは線要素のない「塗り」を描画する。ペンタブレットの筆圧感知にも対応しており、描き手の力加減に合わせて線の太さや滑らかさなどの振れ幅が変化し、それらのパラメーター(変化の強弱)も個別に細かく調整できる。
ライブペイントツール
選択した単一または複数オブジェクトについて、オープンパス・クローズドパスに関わらず、接した「線」で囲まれた範囲をまるで塗り絵のように塗り潰せる(ペイントソフトのバケツツールみたいな感覚)特殊なグループオブジェクトに変換する。後で普通のグループオブジェクトに変換することもでき、その後は「塗り」と「線」をバラバラに扱える。
タイムラプス風動画(キャラクター単体のみ)
※素材お借りしました:フリーBGM DOVA-SYNDROME
作業時間は2日に分けて、合計1時間31分でした(単純録画時間合計)。
※動画引用元(筆者tumbler)
【04.背景作画〜仕上げ】
これでキャラクターは出来たので、今度は別ファイルで背景をデザインしていきます。最終的にはこの中にキャラクターをレイアウトし、アイキャッチ画像として完成させることになります。
初期版アイキャッチの反省として、背景もキャラクターも目立たせすぎたために、境目なくゴチャついた画面になってしまったというのがありました。そこで今回は極力背景要素を排してキャラクターを目立たせ、あっさりした感じにまとめたいな、という方針。
本来であれば背景についてもラフを切るところですが、今回は最初から頭の中である程度イメージを固めておいたのもあり、ラフ無しぶっつけ本番でいくことに。旧アイキャッチとは真逆の方向性で、余白の取り方が重要になってくるタイプのデザインです。何事もメリハリが重要、バランス大事。
後は効果をつけたり、必要に応じて最後の微調整・確認作業を経て完成。後はこれを「書き出し(Webサイト用など、目的ごとに公開可能なデータ形式に変換する作業)」して、ブログページに掲載します。
【まとめ】
ということで、ちょっとだけ突っ込んでみたメイキング…? でした。もうお分かりかと思いますが今回の記事、動画が内容の9割5分です。それ以外はオマケみたいなものです。スルーでいけます。
本音言うともうちょっと凝った編集が出来なかったものかなと思い返してみたんですが、今の私にはこれがやっとでした。いい加減ツールに振り回されない人間になりたいですね。まだまだ修行も道半ば。ま、これからもぼちぼち頑張って参りましょう!
ここまでお読み頂きありがとうございました。
それでは、次回をお楽しみに!
2024.7.26
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