制作チーム「アトリエ∞(インフィニティー)」所属、グラフィックデザイナーのwachico.(わちこ)です。
今回の「おつD」、前回も申し上げましたが休載を考慮しておりましたが……書きます!!
ただし今回は番外編。当ブログの本来の役割からはちょっと逸れた話題でお送りします。
さて、溶けそうな夏が終わると、やって来るのは行楽シーズン。旅行がてらに写真を撮るのも、デジタル一眼カメラやスマホの普及で昔よりずっと気軽に身近になりました。SNSに投稿するため、せっかく撮るなら「綺麗に撮りたい」「映える写真を狙いたい」という事を、誰もが自然に考える世の中になって久しいですよね。
そういうわけで、今回は「プロカメラマンのように」ではなく「個性極振り」でエンジョイするカメラと写真の小ネタ集でもお届けしてみようかと思います。
気をつけていただきたいのは、これらの小ネタは私個人が「趣味で」やる時のカメラの使い方なので、カメラや写真の「常識」やら「基本」やらをわざと崩しているところがある、ということ。一般に言う「綺麗な写真」を撮るためのテクニックをお話しするものではありませんので、そこは勘違いしないようにお願いします。あくまで趣味でカメラ持ち歩く人の「遊び」的な撮り方です。全体的にけっこういい加減な説明……は、いつものことでしたね(笑)。
もくじ
【ここだけ知っとけ! デジタル一眼ことはじめ】
【レンズ沼編:個性が止まらない! ロシアンレンズの世界】
【夜景撮影編:ブレる? いいや、ブレさせてんだッ!】
【まとめ】
【ここだけ知っとけ! デジタル一眼ことはじめ】
とはいえ、まず「デジタル一眼ってなんなの?」という事を知らないとお話になりませんので、簡単に「カメラ」というもの自体の仕組みや、いくつかの専門用語について説明しておきますね。
かなり端折った説明にはなるんですが、デジタル一眼カメラは「カメラ本体に必要に応じたレンズを付け替える」ことができ、「フィルムの代わりにSDカードなどのメディアに写真データを保存する」カメラ…と思って下さい。
カメラで写真を撮る仕組み、特にレンズの構造は、人間の目に例えることができます。
こうして見ると、カメラにおけるレンズの重要さがよくわかって頂けると思います。一眼カメラの長所は、まさにそのレンズを取り替えられること。写したい範囲・被写体との距離・空間の明るさなどを考慮した適切なレンズ選びこそ、一眼カメラ撮影の鉄則です。
これから一眼カメラを始めてみたい方は、広い範囲を写したい時の「広角レンズ」、遠いところまで寄って写したい時の「望遠レンズ」の2本を揃えれば、とりあえず撮影に困らないと思います。ズーム機能がない「単焦点レンズ」や、手動でピントを合わせる(MF)レンズもあるのですが、ある程度撮影に慣れが必要かと思いますので、最初はオートフォーカス(AF)・ズーム有りのレンズを使うのがおすすめ。
なお、最近のカメラはフルオートで十分綺麗に撮れます。とりあえず細かいことは考えず、気楽にパシャパシャ撮ってみましょう! フィルムの残りを気にしなくていいのも、現像の手間なくすぐ写真を確認できるのも、デジタルカメラの強みですもんね。
それではお待たせしました! いよいよ今回の本題に入りますよ〜。
【レンズ沼編:個性が止まらない! ロシアンレンズの世界】
レンズを付け替えられることが、一眼の醍醐味。ですが、どんなレンズでも付けられるわけではありません。「マウント」と呼ばれる、レンズを取り付ける部分の形がカメラ毎に決まっているからです。「○○マウント」といった表記を見れば、取り付けられるかどうか判別できます。
「マウントが違うけどこのレンズを使いたい」「カメラを買い替えて今までのレンズが取り付けられなくなった」…という場合はご心配なく。「マウントアダプター」という輪っか状のアダプターをレンズに取り付ければ、マウントの違うカメラに好きなレンズを取り付けられるようになります。
ここまでお話しすれば最早お察し。実は、かつてフィルムカメラに付けていたような古いレンズ…所謂「オールドレンズ」も、今のデジタル一眼に取り付けることができちゃいます! 適合するアダプターさえあれば、国内外問わずどんな一眼用レンズも使えるわけですね。
撮影に慣れてきて「ちょっと個性的なオールドレンズを使ってみたいな…」という方に、個人的にオススメしたいのが「ロシアンレンズ」! ロシアがまだソビエト連邦と呼ばれていた頃に、とある理由から生まれたレンズの総称です。
ご存知の通り、第二次世界大戦後、ドイツは東西に分断。その際ロシア(ソ連)は東ドイツから、ドイツの光学機器製造会社として有名な「カール・ツァイス」を接収しました。そして多くの技師に命じてコピーレンズを作らせ、これを「ソ連ブランド」として売り出した。こうして、抜群に高品質でコスパも良い「ロシアンレンズ」が生み出された、というわけです。
※参考サイト:未知の世界からの誘惑!?迷いこんではいけない、ロシアレンズ沼
異国に生まれた、同じDNAを持つ者 - ロシアレンズの描写 (1) ◆
旧ソ連製おすすめオールドレンズ・中古レンズの魅力とは?
ということで、私が愛用しているロシアンレンズをひとつご紹介。
このレンズ、ロシアンレンズの中でも特に人気の高いレンズのひとつ。どことなく懐かしさを感じさせる色合いと、シャープな描写。レンズ構造のお陰で、ピントを調節すれば擬似的なマクロレンズ(至近距離で撮影しやすいレンズ)にも早変わりする使い勝手の良さ。しかし人気の最たる理由は、特定のF値(絞りの大きさ)に設定した時の、絞り羽根の作る形。
何とこのように、可愛らしい星形になっちゃうのです!
木漏れ日や照明、わざとボカした夜景の光などを撮ると、個性的な絞り羽根によって星形の玉ボケ(写真に映る丸い形のボケた光のこと)が現れる、という仕組み。この特徴を生かして、背景・合成素材写真の撮影なんかにも用いております。
なお価格は某オークションサイトで8,000円ちょっとで落札。状態も良く、普通はだいたい1万円前後で取引されるレンズなので、この時はかなり運が良かったです。
前述の理由もあってか、ロシアンレンズは安く手に入るものがほとんど。大抵数千円ほどで手に入るはずなので、オールドレンズに手を出す敷居は低めかと。
ロシアンレンズ、ハマる人は本ッ当〜にハマる奥深〜い沼ですので、踏み込むかどうかは何卒自己責任で…(笑)
【夜景撮影編:ブレる? いいや、ブレさせてんだッ!】
ロマンチックな夜景写真を撮ってみたい、でも手ブレしちゃって難しい…。カメラが好きになるほど、そんな悩みを抱えてしまうかと思います。手ブレを防ぐにはいくつか方法があります。
ひとつ目は、極力シャッタースピードを速くすること。明るいレンズ(F値の数字が小さい)を使ったり、ISO感度(光を捉える感度)を上げたりするといいです。…とはいえ明るいレンズは高価ですし、ISO感度を上げすぎると画質が落ちてザラザラした感じの写真になってしまいます。
ふたつ目は、三脚やレリーズ(本体のシャッターボタンに触れずにシャッターを切る機材や方法。最近は連携アプリを介してスマホからシャッターが切れたりします)を活用すること。ですが三脚をいちいち担いでくるのは大変ですし、ちょっと面倒くさい…。
そこで私は発想を転換してみました。「ブレちゃってもいいんじゃない?」と。
確かに「ちゃんとした」夜景を撮るためには、前述のような環境を整える手間が必要です。しかし、ブレを活かした「写真だからこそできる表現」もアリではないか、と個人的には思うのです。というわけで、実験作をご覧ください。
使っているのは超広角の魚眼レンズ。シャッタースピード(シャッターが開いている時間)が十数秒かかるように設定し、わざと上下左右にカメラをブレさせてみました。上の方の太い光は月、他は見下ろした街並みの光です。…どうでしょう。まるで稲光が踊っているかのように見えませんか?
今度は標準的な望遠レンズを使って、上下へ直線的に動かしてみました。いくつもの光が天に昇っているようで、幻想的に感じられるかも?
更に先ほどご紹介したロシアンレンズで、加工素材にできそうな星ボケの写真を。やはりこういうことは、一眼カメラならではのテクニックですね。
どうです? 常識からは逸脱しまくりですが、こんな楽しみ方もまた一興。一眼カメラに慣れてきたら、レンズの個性を利用したオモシロ写真にチャレンジしてみてはいかが?
【まとめ】
はい、ここまでお疲れ様でした。
普通なら個人ブログとかでやるネタを、今回あえてやってみましたが…どうだったでしょう? これを機にカメラ・レンズ・写真に興味を持った方は、ぜひこちら側へ……(沼に沈めるな)。
なお、ミューズ明石クロノスでは写真が好きな方・興味がある方も歓迎しております。FacebookやInstagramへの投稿から商材写真の撮影まで、あなたの得意が活かせるお仕事をご用意できるよう努めますので、よければお問い合わせください!
あとデザイナーも大歓迎です! 未経験OK! 私と一緒にデザイナー修行しませんか!!(真顔)
次回はちゃんと本筋の話ができるといいですね。更新どうなるかちょっとわかりませんが…。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
それでは、次回をお楽しみに!
※参考資料:カメラの教科書 基本からはじめる人のための写真の手引き(Amazon)
※画像お借りしました:いらすとや様
2023.8.30
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