パッケージデザインのおつまみ。|三つ星マインド アロマキャンドルセット編 <1>

おつまみでざいん。

制作チーム「アトリエ∞(インフィニティー)」所属、グラフィックデザイナーのwachico.(わちこ)です。

今回の「おつD」は、お話しするのがだいぶ遅くなってしまいましたが…ついに「あの商品」について色々と振り返りたいと思います! ズバリ、こちら!

三つ星マインド アロマキャンドル キャンドル 3個セット 外箱外観
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ミューズ明石クロノスの物販部門「三つ星マインド」による、ブランドオリジナル商品第一弾「アロマキャンドルセット」

三つ星マインド アロマキャンドル キャンドル 3個セット(Amazon)

こちら既にAmazonにて販売開始しておりますが、大変高評価をいただいているようで…メンバー一同とても喜んでおります。いやはや、誠にありがたいことでございます…!

初のブランドオリジナル商品であり、また初の物販&制作(デザイン)部門共同の商品開発プロジェクトでもあったこちら。ですがこれを私のノリで喋ると超絶長〜〜〜〜〜〜〜〜くなるのは目に見えてますので、今回は大まかに2パートに分けてお届けしようと思います。

この1パート目では、主に企画段階のエピソードに絞ってお話しします。部門を超えた一大プロジェクトだからこそなし得たこと、だからこそ実現が難しかったこと…印象深いところをまとめてみましたので、よろしければ少しばかりお付き合いください。


もくじ

【「三つ星マインド」とは?】
【初めてだらけの挑戦 香りと癒しの市場に切り込め!】
【「これ、やってて楽しい?」 モチベーション維持のカギ】
【まとめ】


【「三つ星マインド」とは?】

お話に入る前に、まずクロノスの物販部門である「三つ星マインド」自体について軽くご紹介しておきます。ともあれ、詳しくは以下の公式サイトをご参照くださいね。

三つ星マインド

三つ星マインドの主力商品は「FBA納品サポート」。ざっくり言うと、お客様(商品を売りたい人)の代わりに、その商品をお預かりして検品したり、Amazon倉庫へ納品する、といったお仕事だそうです。他にも海外の顧客向けに日本の商品を仕入れ、Webサイトを介して通信販売したりもしています。そのため卸業者とのやり取りについて、物販部門にはある程度の経験も実績もありました。

検品から梱包発送まで、全部まとめて「三つ星マインド」にお任せ!

そこで、それらのノウハウを活かしたブランド商品を自分たちで企画し、自分たちで売り出すことで「自らで(事業所として)収益を生み出す仕組みづくり」を実現するプロジェクトが持ち上がったのです。パッケージデザインの担当として、私もそこに加わることになった…というのが、すべての始まりでした。

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【初めてだらけの挑戦 香りと癒しの市場に切り込め!】

遡る事、昨年10月ごろ。いよいよ前述の商品企画プロジェクトが、本格的に動き始めます。着目したのは「香り」の市場。「アロマオイル」や「香水」などに代表されるこの市場は、昨今の世相もあってか、今後更なる活性化が見込まれていました。そこで、同じく香りの商品である「アロマキャンドル」を取り上げ、オリジナルのギフトセットとして販売することに。

※参考サイト:香りの市場規模は?業界別の市場とビジネスへの必要性も紹介

在宅勤務・テレワークという働き方も定着しつつある、忙しない現代社会。仕事の合間にささやかな癒しのひとときを過ごして欲しい…。そんな思いから導き出したキーワードは「ストレス社会のビジネスパーソン」。働く人に贈りたい癒しのギフトとして、買うにも使うにも丁度いい。これらを軸に、まずチーム全員で具体的なイメージを固めるため、意見を出し合いました。

制作部門はデザイン上の方向性が決まったら、それに合わせたラフ案をいくつか出します。それを踏まえてもう一度全員の意見を持ち寄り、より理想の商品イメージに近いところへと少しずつ落とし込んでいくのです…が、その辺のお話はパート2で掘り下げますので今回は割愛。

物販部門は、商品決定に伴い改めての市場調査へ。競合商品や類似商品の動向調査や、仕入れ・印刷発注諸々にかかる費用を計算したり、利益を考えつつ価格決めをしたり。海外卸業者とデザイナーのやり取りを円滑に進める、例えるなら通訳のような役割をしてもらう場面もありました。まあ、その辺りのお話は物販部門の皆様にお任せしまして…。

ともあれ、チーム内で様々なアイデアをぶつけ合いながら、この企画は着々と進んでいきました。……ところが。企画会議がスタートして半月ほど経った頃。なんとなく、チーム内に違和感が漂い始めたのです。

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【「これ、やってて楽しい?」 モチベーション維持のカギ】

ひたすらアイデアを出し合う日々が続きました。魅力的な案、現実的な案。実現するために必要なもの、必要ないもの。費用対効果、採算が取れるか……。そしてあらゆる「あれもやりたい」「これもやりたい」が混ざり合った結果、いつからか最初にあった「自らで収益を生み出す仕組みづくり」「ストレス社会のビジネスパーソン」といった「芯(コンセプト)」の部分が蔑ろになりつつあるように感じました。遂には、以前より明らかに元気の無い様子を見せるメンバーも…。非常にモチベーションが下がっていた時期といえます。

私自身も、デザインとして目指すべき着地点があやふやになりつつあり、行き詰まりを感じていたところ。そこで、自分の考えを整理するためにも、今までの企画経緯・内容についてまとめた資料を大急ぎで作成。ある日のミーティングで半ば無理やりそれを机上に広げた私は、チームに向かって、何より自分に向かって、こう突きつけたのです。

「…この企画、やってて楽しいですか?」

ミーティングの際に持ち込んだ自作資料の一部。現状の問題点や懸念事項について整理して書き出したもの。
ミーティングの際に持ち込んだ自作資料の一部。「楽しい?」という問いかけは、停滞していた話し合いの場に一石を投じるキーワード。
自発的に準備したプレゼン資料(一部)

……この質問、厳密に言うと嘘になるのかもしれません。現実問題、楽しくなくても「仕事」はこなさなければならない…、とは言え。それでも限度はあります。だって私たちは機械ではなく、人間なのですから。

つまり、この質問の意図は別にありました。ひとつは、一旦客観的に現状を整理し、解決すべき課題を明確にすることで、課題解決に「行き詰まっている自分」を自覚すること。もうひとつは、それぞれが自分の「今の感情」を吐露し、チーム内できちんと共有すること。この後企画の方向性は徐々に軌道修正され、様々な要因でなし得なかったことも少なからずありましたが、ブランド商品第一弾として、全員が納得できるものに仕上げることができました。

これは一見ネガティブな働きかけに見えますが、個人的にチーム各々の「心の状態」を自覚・共有することは、思ったよりも重要なのではないかな? と思っています。それによって抱えている問題が解決する・しないに関わらず、です。

大抵「私もそうだよ!」「分かる分かる!」という共感が得られるので、「辛いのは自分だけじゃない」「みんなで一緒に考えよう」というポジティブな方向に議論を持っていきやすい気がします。共感と信頼こそが、いい議論・いい協力関係を導くカギ、ということですね。

……とまあ、気づけば非常に偉そうな講釈を垂れてしまいましたが、別にただの失敗談からくる持論でしかないです。それについてはまあ、まとめの項でお話しましょうか。

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【まとめ】

さて、今回は企画段階のお話に絞って展開してみたわけですが…企画会議(ミーティング)の段階でも、デザイナーとそうではない人とで論点や話運びに違いがあって、なかなか難しく、勉強になります。様々な視点で物事をとらえる力を真に問われる気がします。

今回、デザイン関係の前になぜわざわざこんな話をしたかと言いますと、私自身チームワークについて苦い思いをした経験があったからです。大学入学間もない頃、出席番号順で組まされた4人グループで、架空の商品を企画・デザインしプレゼンテーションする…といった感じの実習課題が出されました。言わずもがな深刻なコミュ障を拗らせていた私は、入学したてで赤の他人と碌なコミュニケーションを取れる訳もなく。最初は結局4人ともバラバラに課題を進めてしまいました。

総数100人程度の学科同級生と教授達の前で、相当みっともないプレゼンをしました。

ある教授は、きっぱりこう言いました。「この中で君たちが一番ひどい」と。

ところがこの最悪の結果が、チームに強い結束をもたらします。「絶対にあのボロカス言いやがった教授共許さねぇ!」と(笑)。今思えばただの逆ギレに他ならないのですが、この「失敗」をきっかけにチーム全員が本音で向き合い、ひとつの方向に向かって協力できたのも事実です。余談ですが、この後他チームに大きく遅れをとる覚悟でゼロから案を練り直し、最終講評ではボロカス評価を見事にひっくり返したのでした。……今でもちょっぴりドヤっちゃうのはご愛嬌。がんばったからゆるして。

ということで、パート2は来月。企画自体の流れを追いながら、実際どのようにデザインが構築されていったかをお話していきますよ! なるべく早めに上げられるようにしたいですね。

ここまでお読み頂きありがとうございました。

それでは、次回をお楽しみに!

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※画像お借りしました:いらすとや

<追記>2023.10.27 – パート2を公開しました。
 パッケージデザインのおつまみ。|三つ星マインド アロマキャンドルセット編 <2>

2023.9.27

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